子供の反抗期 心の発達課題を軸に振り返る エリクソン

反抗期

 

反抗期とは、子供が大人になる過程で誰もが経験する精神発達には不可欠な過程といわれています。

 

・第一次反抗期 2歳頃 一般的には「魔の二歳」といわれます。

・第二次反抗期 青年期 一般的には、中学二年生がピーク。

 

親を中心に、周囲、学校の先生に反抗、ルール違反、言い方が常にケンカ腰、学校に行かない、集団行動が取れない、夜遊びをするなどがあります。

 

年齢的に共感できる50代前後の方は、自分のお子さんに重ねて観察してみてはどうでしょう。

 

自分たちの年代の時より、反抗期の年齢が下がったと保護者のあいだで話題になった経験はありませんか?

 

50代前後の保護者の方は、思い起してみると・・・。

 

小学5~6年ごろから反抗期の前兆があり、中学2年生くらいがピークで中学を卒業するころには落ち着いていた経過が一般的ではなかったでしょうか。

 

しかし、学校の先生の教育方針も様変わりしています。

 

 

子供の良いところを伸ばすことが中心で、昔のように先生がきつく叱ったり、一時授業も中断し、対象者とはたから見れば口論している。

 

このような風景が一般的でしたが、少子化に伴い、学校の先生の教育や子供の対応の仕方も変わってきました。

 

時代の流れや環境も変化すると、現在のように昔とはやはり義務教育も変わってくる印象です。

 

そして、現在は反抗期の年齢が少し下がり、小学5年~6年生には反抗期のピークが多くみられるような印象です。

 

近年は少子化の影響で親密な親子関係が蔓延し、一方では体格の向上などによって思春期を早く迎え、潜在期が短くなって発達課題を達成しないまま思春期に移行する子供が増えてきていると指摘されています。

 

※ 参考文献 精神科看護テキスト

 

このように、時代の変化に伴い、人の心の発達過程も期間や自然に獲得していた、心理・社会的発達課題や、心の発達にも変化がみられるようです。

 

しかし、全員が年齢に応じたマニュアル通りには発達することは少ないでしょう。

 

そこは現在でも変わっていないと考えられますが、核家族、少子化が、少なからず影響している事は否定できない印象です。

 

インターネットの普及

現在はインターネットの普及により、人とのコミュニケーションにも変化がみられます。

 

昔はテレビの前に、自然に家族は集まり一つの番組を楽しく観ていました。

 

しかし、現在は子供もスマホを持つのが一般的ですから、子供がいったい誰といつ話しているかさえも、「親が把握するこが困難」な奇妙な現象もみられます。

 

中学生くらいまでは、親同士の顔や子供をみても、どこの家の親、子供など、コミュニケーションを通して理解できました。

 

子供が成長し行動範囲が広がると、子供の普段の様子は一気に不透明になる印象です。

 

親子のコミュニケーションが箕臼になっている印象ですが、子供は大人になる過程を着々と進んでいることを忘れてはなりません。

普段の会話が少なくなっているので、子供の変化に気が付きにくいものです。

 

最近、「機嫌が悪い、」「話し方が少し変わった、」ことなどをきっかけに反抗期なんだと思うようです。

 

しかし、心の発達で、「エリクソンの発達段階理論」が言われているように、乳児期~老年期を通し生涯を全うするうえで一つの欠かすことのできない発達段階となります。

 

発達段階で必要な反抗期

親が特に子供の対応に四苦八苦するのは、第二次反抗期

 

心配して、何か一つ言えば、100は返ってくるでしょう。

 

しかも、子供のなのに、大人と対等の言い方をします。

 

社会に出たこともない年齢にも関わらず、物事を分かったような言い方や、トゲのある言い方をしたり。

 

自分で何でもできる

 

自分はスゴい

 

などなど各個人で表現方法は様々ですが、親が対応困難という場合もあります。

将来困らないように!

 

困ったときはこうすると解決できるよ!

 

お腹はすいてない?

 

風邪をひかないように!

 

など、心配は尽きませんが、子供にとっては、こういった親の行動や言動が疎ましくてたまらない時期なのです。

 

反抗期にあるときの、親がとる行動

 

・学童低学年の時のように、すべて親が環境を整えることは避けてみましょう。

 

・しかし、本人と話ができない・・・。

 

・話しても会話が続かない・・・。

 

・そもそも会話の内容で共通できるものがない・・・。

 

・誰と一番仲がよく、いつも遊んでいるのか、聞いても答えてくれないので、話題にできない・・・。

 

・親は子供の顔色をみれば、「今日何か嫌な事があったな、」

 

・今日は機嫌が良いので、「何か嬉しいことがあったな、」

 

このように子供の変化を察知します。

日常生活の具体例

例えば、忘れ物をする内容も自分の子供を自分が観てきているので、親だけが先に分かることもあります。

 

「あー、明日は、上靴を忘れるな、、、」

 

「あーまた、友達と何かあったな、、、」

 

「あー、だから、そうなる前に、教えてるのに、腹立つなあ、」

 

と親の感情にも変化が起こってきます。

 

しかし、親にとっては、自分の子供はいつまでたっても子供。

 

「心配していることを伝えたいだけ・・・。」

 

しかし、一方で子供は巣立つ準備を着々とすすめています。

 

ですから、親が自分をいつまでも子供扱いすることも受け入れがたいようです。

 

精神科で学んだ事は、家庭でも十分使えます。

 

50代前後の人は、自然と長く働きながら昭和、平成、令和を生きています。

当時は看護師になるために働きながら、専門学校に通うのが一般的で、自分から見て覚えると言う意識は自然と身に付いていました。

 

しかし、現在は少子化に伴い、一人の子供を抱える大人の人数のほうがはるかに上回っています。

 

環境も一つ要因となるのでしょうが、子供はもう小さい頃から受け身で成長することが前提となっている印象です。

 

しかし、心の発達は、やはり現在も残っていて、身体が成長するように、心も成長しているのです。

 

子供が自立できる援助方法を、家庭でも取り入れた方が得策だという印象です。

 

反抗期の子供への対応の仕方

 

では、現在反抗期で悩んでる!

 

反抗期は体験し、そういえば反抗期があったな、と親は思う時期でしょう。

 

時期が来れば収まることも理解はしていますが、一向に負の無限ループに陥ったような感情、、、。

 

① 対応の具体例

 

・子供が話すのを親が待ってみる。

 

・一方的に言わない。

 

・押し付けたような言い方は避ける。

 

・だからいったでしょ!も避けてみる!(^^)!

 

・トラブル発生時は、「いつも言ってるでしょう、こうなるって!」と言うのは避けましょう。

 

だからといって、知らない顔もできません。

 

・問題が起こった場合は先に自分で解決方法を探すようにサポートする。

・ どうやったら良いと思う?

・どういったふうにしたら、解決すると思う?

・何かいい方法ある?

など自分で考えてもらうことが大切です。

 

2 対応の具体例

 

・「きのう話していた、事で、私はこう思っているけど、あなたは、どんなふうに思った?」

 

・子供が少し自分の振った話題に返しがあったら、見逃さないようにしましょう。

 

・一つ言葉を返してきたら、子供が答える言い方を親が準備しましょう。

 

例えば、「じゃあ、○○については、少し前はこういう考え方だったけど、今はどんなふうになってるの?」

 

・反抗期の時期にある子供は「自分が悪いとは思っていません」

 

ですから、極端な間違いは修正する必要がありますが、聞く側に常に居るように意識するだけでも子供の様子は違ってきます。

 

質問を投げかけた親が、答えを知らないはずはありませんが、ここがポイントになります。

 

分からなと言い、子供の考えを聞きながら、話を少しずつ広げていきましょう。

 

子供は親の事が大好きですから、繰り返していくと、子供に変化があります。

 

子供の方から少しだけ、話してくるようになった。

 

先日話していたことを、「あ、あの話があったじゃない、あの件さあ、」など会話は短くても大きな成果です。

 

このような時は、「あの些細な話を覚えていたの?」など親も経験するようになります。

 

やはり子供は大人の何十倍もの繊細なアンテナを持っています。

 

器用に振る舞う必要はありません。

 

不器用でも大丈夫ですし、そもそも「親が器用に振る舞うマニュアル」は存在しません。

 

 

まとめ~反抗期は大人になる準備期間

 

次は若い成人期 成人期 老年期といった心の発達が待っています。

 

エリクソンの発達段階理論

 

1~8段階

 

第一段階:乳児期   獲得できる事柄~希望

第二段階:幼児初期  ・・・・  ~意志力

第3段階:遊戯期   ・・・・  ~目的意識

第4段階:学童期   ・・・・  ~適格意識

第5段階:青年期   ・・・・  ~忠誠心

第6段階:若い成人期 ・・・・  ~愛の能力

第7段階:成人期   ・・・・  ~世話

第8段階:老年期   ・・・・  ~英知

 

※参考・引用文献~実践精神科看護テキスト 精神発達論

エリクソンの発達段階理論

 

このように心の発達には段階があり、その時期、年齢によって獲得していく内容は違い、産まれてからすでに第1段階をたどりはじめるのです。

 

反抗期は精神発達論からみると、日常生活で毎日おこっている現象の積み重ねと、環境が関係してくることが理解できます。

 

例:子供の行動に手をやき、大変だとしても中の良かった子供の友人もはなれ、子供が孤立し孤独になる時期もあるでしょう。

 

しかし、最後に親がまっすぐ向くことができた子供は、成長すると、いわうる(立ち直る)といった傾向が強い印象をうけています。

 

いま大変な思いをしている家族がいるかもしれません、自分が理解し体験して、良かったことや試してみる価値ある行動がある!

 

知っておいて損はしないとおもいます。

 

反抗期が落ち着いたタイミングで、家族でお互いの思いを振り返りながら話すと良いと思います。

 

すると、反抗期も過去のものになった事がお互い認識でき、次の段階へとお互いが一緒に進んでいける事でしょう。

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